法師温泉法師温泉長寿館
上越国境、三国峠の深い谷間に、悠久の時を越えて湧きつづける法師温泉は、弘法大師が巡錫の折に発見したと伝えられる古い歴史を持つ。温泉場として形をなしたのは江戸末期のことで、一軒宿の「長寿館」は現在6代目の館主が守り継いでいる。
明治初期に建てられた本館の玄関を入ると、黒光りしている柱や梁が剥き出しの吹き抜けロビーに圧倒される。その一角には「いろりの間」があり、薪で鉄瓶の湯を沸かし、お茶が飲めるようになっている。ここは代々の館主が、静寂な山の出湯を訪れた文人墨客をもてなした場所で、今でも旅人の団欒の場になっている。
明治28年に建てられて以来、一世紀を超える大浴場「法師乃湯」は、温泉が自然湧出する岩盤の上に玉石を敷き詰め、周りを木枠で囲って湯船とし、杉皮葺きの屋根をかけた名物風呂である。大きな杉丸太の梁、ブナやナラの板を使った木造の湯殿でありながら、窓は半円状の洋風仕様と鹿鳴館風で、国鉄時代のフルムーンのポスターはここで撮影されたのである。浴室棟は他に小さいながらも良質な足元湧出温泉の「長寿乃湯」と三国山脈を望む豪壮な「玉越乃湯」がある。客室棟は法師川に沿っており、昭和15年に別館が、53年に薫山荘、63年に法隆殿が建てられた。古い建築群と新しい建築群からなる法師温泉ではあるが、少しも違和感はなく歴史と文化の融和した秘湯の雰囲気が漂っている。これらの建築群のうち旅籠風情の本館と、法師乃湯の浴室棟、別館の客室棟が平成18年に「国の登録有形文化財」として指定された。
(国登録有形文化財の宿)
基本情報
- 都道府県
- 群馬
- 温泉名
- 法師温泉
- 施設名
- 法師温泉長寿館
- 住所
- 〒379-1401 群馬県利根郡みなかみ町永井650番地
- 電話
- 0278-66-0005
- 公式サイト
- http://www.hoshi-onsen.com/
- 室数
- 34
- 料金
- 15900円~29550円
- チェックイン
- 15:00
- チェックアウト
- 10:30
- 日帰り入浴
- 可
文化遺産情報
文化財情報
- 該当する文化財登録基準
-
- 国土の歴史的景観に寄与しているもの
- 文化財認定箇所
- 大浴場・別館・本館
アクセス
- アクセス方法
- 車:関越自動車道月夜野ICから、国道17号線経由約40分。
電車:JR上越新幹線上毛高原駅下車、猿ヶ京行きバスで終点下車、法師温泉行きバスに乗り換え法師温泉玄関終点。