湯河原温泉伊藤屋
古く万葉集にも詠まれた湯河原は、秘湯の趣が今も残る静かな温泉場。この地の閑雅な風情と落ち着いた佇まいを愛し、執筆活動の場を求めた文人たちは数多く、逗留・滞在した際の足跡が数多く残っている。
「伊藤屋」には、詩人であり小説家でもある島崎藤村が親しく訪れていた。藤村は昭和三年から十余年の間、年四回の原稿提出後の約一週間、温泉保養をかねてここで心ゆくまで寛いだという。藤村の名作「夜明け前」の原案は旅館の一室で練られた。今でも大拙に保管されているゆかりの品々が、当時の雰囲気や藤村の人となりを語りかけてくるようだ。
その他にも徳大寺公爵や黒田清輝、円朝、有島武郎、内村鑑三等、文人・墨客の常宿として愛されてきた旅館は、昭和十一年二月二十六日、歴史上あまりにも有名な二・二六事件の際、投宿中の牧野伸顕伯爵を麻布第一聯隊の兵士が襲撃した事件の舞台にもなった。
本館三棟のうち大正時代建築の二棟と石垣・門柱は、国の有形文化財に登録されている。
基本情報
- 都道府県
- 神奈川
- 温泉名
- 湯河原温泉
- 施設名
- 伊藤屋
- 住所
- 〒259-0314 神奈川県足柄下郡湯河原町宮上488
- 電話
- 0465-62-2004
- 公式サイト
- http://www.itouya-net.jp/
- 室数
- 13室
- 料金
- 18,150円~30,250円
- チェックイン
- 15:00
- チェックアウト
- 10:00
- 日帰り入浴
- 不可
文化遺産情報
文化財情報
- 該当する文化財登録基準
-
- 国土の歴史的景観に寄与しているもの
- 造形の規範となっているもの
- 文化財認定箇所
- 奥棟・本館・門柱及び石垣
アクセス
- アクセス方法
- 電車:JR東海道線「湯河原駅」下車→バス「温泉場・不動滝・奥湯河原方面行」乗車、バス停「公園入口」下車目の前(乗車時間約13分)
車:西湘バイパス石橋ICから約20分